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さっきの続きです^^


続いてる・・・んです(笑)





うっかり降りるステップでつまずいて
あかねは詩紋に手を取られてはっとした。


いけない。しっかりしなければ。
どういうことだか分からないけれど
決めたのだから行くしかないしやるしかない。



それは一昨日のことだった。



志願しているわけもないあかねの元に届いた一通のゴールデンレター。


それを母に見せるなり母は泣いた。
父はうん、と唸って天井を向いてしまった。


膠着状態が長く続いていた。
それでも少しずつ、少しずつ幻獣が盛り返している。
今ここで徴兵拒否しても、
明日には幻獣に踏み潰されているかもしれない。
もしかすると戦場で生き残って帰ってくるかもしれない。

自分たちの方が先になくなってしまえば
残ったあかねのことを知り合いで頼りにしているものも
今やあてにならない世情では
不憫な目にあわないとも限らない。

少なくとも軍にいれば、死ぬ以外の危険は
多少なりとも回避できるのではないか。


いや。どこにいても安全なんてありえない。
どこも危険。
どこにいても明日をも知れない。


それなら、
どの選択も最良と言えないのであれば
本人の好きにするしかないではないか。
それがあかねの父親の出した結論だった。


そしてあかねは選んだ。



これも何かの縁かもしれない。
自分には特に特技といえるものはないが
選ばれて召集が来たのには何か理由があるのだろう。
自分が必要とされるところで力を出したい。


それほど気負いもせず微笑みながら言う娘に
ようやく母は涙を拭いて笑った。



「このバス停でいいんだよな?」

天真がぶつぶつ言う横で、あかねと詩紋もただ立っていた。
そこへのんびりと向こうの方からやってくる長身の男がひとり。
今時珍しいただ流した艶やかでウェーブのある長髪、
けれど着崩していても遠目から見てもわかる。
あれは軍服だ。
それにしては雰囲気が妙に艶やで。
あれはいったい誰だろう・・・


疑問に思いつつも背筋を伸ばした三人の目の前に
その白い制服がすっと立ったのは
思ったより短い時間の後だった。


「はやい!」

天真が舌を巻く。

「そうかな。君が遅いのだろ」


言われてむっとなる天真を無視して
男は優雅にあかねと詩紋に挨拶をした。


「やあ、遅れてすまないね。朝は少し苦手なものでね。
 私かい?私は君たちの担任だ。よろしく頼むよ」

「担任の先生自らお出迎え下さったのですか?
 ありがとうございます」


こういう時はよほど天真より頼りになる詩紋が
そつなく挨拶をする。

「いやいや」

言うと男はあかねをじいっと見る。
穏やかな顔をして目線は重くじっとりとあかねにまとわり付く。
それになんと言っても男は・・・
驚くほど整った美しい顔をしている。


なんとも直視できないであかねが顔を赤らめて俯くと
ふと頤に指がかかる。


「え、ええっ?」

驚く間も無くあかねの目の前にその美しい顔がずいと近づく。
まつげ、長い。
唇は少しうすいかな?


「私の顔はお気に召したかな?
 なんなら体の方も試してくれても構わないけれど」

言われてきょとんとするあかねに
男がくすくすと笑う。

横でむくれている天真とあっけに取られる詩紋は放置状態だ。


ますます困るあかね。

「いや、すまないね。
 私は橘友雅だ。よろしくたのむよ。
 君たちは徴兵されたといえ、まずはここの戦車学校の学生となり
 勉強してもらう。ほとんどOJTになってしまうだろうが
 一日でも早く現場で動けるようにヘルプしたいと思っているよ」

「橘先生?」

「よくできました。覚えの良い子は好きだよ」


言われてまた紅くなるあかねの手を橘から奪うように引いて、
天真はぐんぐんと校門へ向かって進んでいく。
その後を困った顔で追う詩紋。
そしてその三人の姿を見て、いつになく笑みがこぼれる自分に
友雅は遅れないように、と自分を戒めながら付いていった。

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