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朗読劇というのを初めて観ました。
学生時代に朗読をやっていたので、それなりに知識はあるのですが、
『劇』がつくのでまた違うのだろうと。
朗読はあくまでも朗読で、文字を伝え、感情は推察させて想像させるように
聞き手を導くため、余り感情を入れてはいけないと指導されました。

確かに朗読『劇』でした。
肉体的な死よりも先に精神的な死が訪れると言う
若年性アルツハイマーがこの話のテーマ。


舞台は真ん中に2客の椅子。

上手に階段がありテラスに続くように設えてあって
最上段の踊り場には机がありました。
真ん中には大きなスクリーン。
そこに時節ごとの背景が色々映し出されます。
下手には壁。
そこには写真といくつものメモが貼ってあります。
これが後半重要な役割を果たします。

色彩はアイボリー。
最初白かと思ったのですが、よくよく見ると、白だったりグレーだったり、
タイルみたいな柄っぽいものが入っていたり、
壁にペンキをまだらに塗ったように見えたり、
と、とにかく真っ白ではなかったです。


内容はドラマや映画で有名なものなので触りだけ。


主人公はどうやら不幸な育ちのような建築畑で働く浩介と
ゼネコンの社長の令嬢でアパレル勤務の薫。
最初はお互いが気に入らず角を突き合わせていたけれど、
そのうち心惹かれ寄り添うようになり、結婚します。
浩介は結婚するために一級建築士を取り、
薫は縁を切っていた浩介の母を探し出し、許すことを教えます。
幸せに向って少しずつ歩んでいた二人を引き裂くのは、
肉体的な死よりも先に精神的な死が訪れると言う若年性アルツハイマー。

話はハッピーエンドではありません。

どうしようもなく救われない話です。


薫はどんどん浩介を忘れていきます。
脳が120歳くらいに萎縮してしまっているので、
本当に認知症の老人と同じ症状が出てきます。
それでも浩介は心を込めて介護するのですが、
まだらに自分を取り戻した薫は、何よりも自分が忘れて、
そして行う行動で浩介を傷つけるのがつらく、
やがて失踪します。
どうやら実家を頼り、施設に入れてもらったようです。
それがわかったのは失踪して季節が春から冬へと移り変わったころ。
熱海の消印の『自分を取り戻した』薫の手紙が届きます。
そしてしらみつぶしに施設を探した浩介が見つけた薫は
すべてを忘れてしまっていました。


***

結局3回も別のキャストで観てしまいましたよ。
これってハマってるっていう?ww


最初に観たのは初日の鈴木拡樹x竹達彩奈ペア。
実はこのペア、いえ、鈴木拡樹さんが大本命で観たかった。
ペダステの荒北がすごい!と思って、他のも観てみたいと思ったときに、
偶然この演目を知りました。(あともう1回別の演目も見る予定です)
役者さんとして好みかどうか、観てみたいな、と思ったので。

さて、本題。


鈴木拡樹さんのイメージは、初めて見たのがペダステの荒北のせいか、
なんだかよく喚く荒北が戻ってきたようでした。
けれど話が進むにつれて、どんどんその叫びが変わってきました。

結婚できてはしゃいでいる姿がめっちゃ可愛い。
足をバタバタさせて「嬉しい!やった!」と体中で表現していました。
朗読劇とはいいながら、舞台のセットを使いながら
ところどころに演技する場面も入ってきます。

そして薫の症状が進みだすのと同時に始まる浩介の苦悩。
慟哭という言葉がふさわしい浩介の苦しみが舞台に広がりました。


竹達彩奈さんは、実はよく知りませんが人気声優さんなんですね。
あまりに可愛らしい声で、背景に萌えキャラが似合いそうと思ってしまいました。
けれどそのとってつけたお嬢ちゃん声が意外に薫に合った気がします。
不倫して振られて、押しつけがましく父親の現場に差し入れに行って…
なんだかどうしようもないお嬢ちゃんですが、浩介を好きになっていく過程を
観ていると、苦労知らずで周りに可愛がられて育った素直な子なんだろうな
と察することができました。

不幸に、人生をあきらめて育った浩介にはきっと
まぶしかったと同時に、薫は生きる希望になったんだろうと思います。


最後の最後、もう何もわからなくなった薫が
スケッチブック描き続ける浩介の絵。
そして今まで言ったことのない「愛している」という浩介の言葉。
薫が何回も浩介に「好きって言って!愛してるって言って!」と言っても
言ってくれなかった言葉を、ようやく浩介はここで薫に告げるのです。


涙腺崩壊でした。
会場も2/3過ぎたあたりから啜り泣きがずっと聞こえていました。


カテコは4回。
それも大騒ぎではなく大拍手。
初日を飾るにふさわしい素晴らしい朗読劇でした。


***

その次に観たのは廣瀨智紀x増田有華ペア。
鈴木拡樹さんの浩介が「浩介を演じている」のなら、
今日の廣瀨智紀さんは「自分の中の浩介を引きずり出している」という
印象を受けました。

それは不思議と薫の竹達彩菜さんと増田有華さんにも言えて、
配役の組み合わせって不思議だなと思いました。

鈴木x竹達ペアは、それぞれが浩介・薫のイメージを思い描き
それに近づくような役作りをしている感じでした。

今日の廣瀨x増田ペアは、いっそ地でやっているのかも?
と思えるような素直な感じがしました。


同じ台詞、同じセットなのに、本当にイメージが違います。


観ていて一番幸せを感じさせたのが結婚式の場面。
今日の廣瀨さんは体を折って座り込むようにして
「ヤッタ!」という声が聞こえてきそうな喜びっぷりでした。
増田さんもそんな廣瀨さんを「可愛い」と思っているような
感じで見つめていたのが素敵でした。


そしてやっぱり涙しました。
今日は結構早くから泣いてしまって、
揚句嗚咽まで漏れそうになって、かなりあわてました。

カテコは3回。
最後はスタンディングオベーションでした。
すごくよかった。

空席がちらほらあったのが本当に残念。
GWの合間の平日の昼だからしょうがないのでしょうが、
もっと座席が埋まっていればよかったのに、と思えました。


***

3回目が加藤和樹x安倍なつみペア。
連休の狭間のせいか本当に客席が寂しくて残念。
今日はなっちvのファンらしき男性が多かった。

過去に観た2回の緊張感はなく、開演前はざわついていた。
この違いはなんだろう、とちょっと考えてしまった。

過去2回は今まさに旬の人たちで、
恐らくファンもテンションが非常に高く、
お目当ての人の一挙一動にアンテナ立てて注目しているんだろうと
勝手に推察。もちろん、加藤さんも安倍さんも人気者には
違いないのだろうけれど、ひところの爆発的な人気は
少しおさまってますしね。

なんだか場内がほんわかしていた気がします。
なっちだから応援する、見に来た!感があったというか、ね。


さて、注目の舞台です。


やっぱり3組観たら、3組とも違うのね。
今日の加藤さんは穏やかな浩介かと思いました、最初。
あんまりハデでない、というか感情を表すことが好きではない、
いや、できないといった方が正しいかな。
気に入らないことは気に入らないと表現できるけれど、
嬉しいとか楽しいとかよくわからない、という感じでした。

けれど薫に出会って、引き出しに閉じ込めていた感情が
あふれだしてくる、そんなように見えました。
母に捨てられ、そして戸籍を抜いて自分も母を捨て、
愛されない自分が愛する資格はないと思って生きてきた。
でも薫に愛され、自分も愛していいとわかった時、それは
執着に変わったように見えました。
絶望はしない、最初から大きな夢は持たない。
でも少し期待してもいいかな?と感情を開花させていく浩介が見えました。

結婚式の喜ぶシーンも少し控え目でした。
はしゃげない浩介なんだなと思いました。

そして病気が進んだ薫を薫の両親が引き取りたいと言ってきたとき、
丁重にお断りして「大丈夫」という浩介。
何よりも強い執着。薫に対する執着を感じました。
手に入れた愛する人、愛に対する拘りと離したくないという
強い感情を感じました。


安倍さんの薫は今までで一番好みかもしれません。
声も動きも天真爛漫で無垢ゆえに人を傷つけるお嬢ちゃん。
素直だから感情もまっすぐ。
自分が正しいと思うことは人にも正しいとぶつけられる。
そして、その通りに行動する。
不倫も純粋にその人を好きになっちゃったからなんでしょう。
理解したいとは思わないですが。
そして、まっすぐに浩介を好きになった薫。
とても可愛い。

そう、すごくいいのに、噛みが多いんですよ、この方。
勝手に思ったのですが、テレビの仕事がきっと多かったですよね。
テイクが多くて、ひとつの撮影のコマ、短いんじゃないでしょうか。
集中力が途切れると噛む、そんな感じが見受けられました。
余りにいいところでしょっちゅう噛むので
こちらも集中できず、過去2回ほど感情移入ができず
非常に残念でした。

3組観るとさすがに並べて比較してみたくなりますよね。
批判ではなく、比較ですよ。


鈴木拡樹さんに感じたのは抗い難い運命への抵抗と、
諦念とそれを昇華した純粋な愛でした。
なんだかぶっきらぼうでよく喚く…導入から、
絞り出す叫びに変わり、そして静かな許容。
いつまでも彼の『浩介』の心の1つの部屋は薫のために開けてあるのでしょう。

廣瀬智紀さんに感じたのは強い絶望。
その絶望のどん底から見える一筋の希望が薫でした。
その一筋の光ともいえる希望が見えたとき、夢が生まれ、未来が見えるようになった。
彼の『浩介』に未来と夢をくれた薫を彼は愛し、
そして自然に献身へと至る。それはすべて一連の自然な流れでした。
彼の後ろに10才の『浩介』が見える気がしました。


加藤和樹さんに感じたのは静寂と停滞。
感情を閉ざし、感じることを止めることで傷つかないように生きてきた『浩介』がいました。
愛さない、だから愛されない。
傷つけないし、傷つかない。平凡な繰り返しの中で、ただ日々を送るだけの
無彩色な人生を送っている『浩介』が、薫と出会い、いきなり
極彩色の感情を鍵をかけた引き出しから引きずり出されていた感じがしました。
やっと見つけた愛を失いたくない執着。
その強い感情を加藤さんからは感じました。


同じ台詞なのにね。違いが面白いなと思いました。

過去に岸尾だいすけさんもあったのね。
観たかったな。
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